E I Q 法とはなにか

・ E I Q

在庫のABC分析やPOSデータの分析はよく知られているが、これは種類(Item)と数量(Quantity)のIQのABC分析である。ある種類が1000ケース売れたと言っても、それが1軒の客先からきた注文の場合と1000軒からきた注文の場合では倉庫のピッキング作業は違うシステムになるであろうし、また、POSデータの分析の場合にしても、同じ販売量なら1軒からの注文の種類と1000軒からの注文の種類とでは1000軒からの注文の種類の方が売れ筋であろう。
すなわち、一般に行われているIQ分析(ABC分析)やPOSデータだけの分析ではデータの中に注文軒数(E)が入っていないのでこれらのことが分からない。したがって、物流システムやロジスティクスシステムの検討には注文件数(E)を加えたEIQの分析が重要であり、また、必要なことが分かる。
EIQ分析を行えば、ある種類に対する注文頻度も、また客先ごとの注文点数も分かる。注文点数は一般には注文行数と言われているものである。EIQ分析はIQやPOSデータのIとQの2要素の分析に対してE、I、Qの3要素の分析になるので簡単に言えば、POSデータの6倍の情報量を持っていることになる。    
また、最近、デビットカードが普及をしてきたが、これには注文軒数(E)が入るのでEIQ分析が活用できる。

・ E I Q 分析

EIQ分析は、誰が何を何ケ注文したかであるから、注文伝票や出庫伝票のデータであって手元にあるデータなのにこれを分析をしているところが少ない。あっても、いわゆるIQのABC分析位で、それ以上の分析をしているところは少ない。また、注文伝票や出庫伝票の分析と言うと、データ量が多くて分析できないと言うが、一日の注文伝票(又は出庫伝票)のデータのEIQ分析を行ってみるだけでも大変な効果がある。これも、毎日の注文の内容が変わるのに1日のデータを分析をしても何になるかとよく言われるが1日のEIQ分析だけでもかなりのことが分かるものである。在庫を論じるときも、また、共同配送センターやサプライ・チエン・マネージメント・システムを語るときもEIQデータ抜きでは語れない。データに基づかなければ単なる話に終わってしまう。共同配送センターで言えば、今日、1日の各社のEIQデータを集めて分析をすれば共同化したときの1日の配送センターの出荷規模のデータであるから新しい配送センターの規模が分かってしまうことになる。
サプライ・チエン・システムにしてもこのシステムを流れる各社の物量の特性は大きく変化している。それをEIQのデータでみれば、EIQのデータがどのようにサプライ・チエン・システムの中を変化しながら流れるかがよく見えると同時にこの流れの変化を見ないでシステムを論じても空論に終わる可能性が多い。
筆者はEIQ分析で配送センターのシステム計画をしているが、配送センターの基本システムは1日のEIQ分析でほとんど間違いなく分かるものである。あとは必要に応じて、1月間なり、各月のデータに対してEIQ分析をすると効率よくシステム計画ができる。

・ E I Q 表(表1)

物流での「物」はひとりでは動かない。Eという客先の注文があって初めて物は動き出すわけであるから、注文先(E)がどの種類(I)を何ケ(Q)のEIQが物流のキーフアクターであることは間違いがなく、これ抜きには物流は語れないことになる。では、分析して何が分かるかと言うことになるが、多くの活用方法がある。 
EIQは注文伝票の内容であり、その例を表1に示す。EIQは、 OrderEntryのE、Item のI、数量 Quantity のQをとって名づけられたものである。

   表1の横軸に種類I1,I2,I3,I4,・・・を縦軸に注文客先E1,E2,E3,E4・・

  ・・を取ってあるが、これは注文伝票の一覧表である。

     
表1             E I Q 表

 略号  E= 客先名

       I= 種類名

       EQ= 客先ごとの注文量

       EN= 客先ごとの注文点数

       IQ= 種類ごとの注文量

       IK= 種類ごとの重複数

      GEQ= 客先総注文量

      GIQ= 総種類出荷数量

      GEN= 総注文点数(注文行数)

      GIK= 総種類重複数


E=注文伝票  I=種類  Q=数量(表中の数次は列を示す)


種類
客先
注文
数量

注文
種類
点数
11 12 13 14 15 16
EQ
EN
客先注文伝票
E1
3
5
0
1
2
3
14
5
E2
2
0
4
6
7
0
19
4
E3
4
0
0
0
0
8
12
2
E4
2
8
0
3
5
2
20
5
種類毎数量
IQ
11 13
4
10 14
13
GEQ
GIQ
65
GEN
16

種類の重複数
IK
4
2
1
3
3
3
GIK
16

                                    (Shin Suzuki 1983)

 注*表中の数字は例を示す。





・ どのような分析をするか。

EIQデータについてABC分析、度数分析などの分析だけでもかなりのことがわかるものである。あとは必要に応じて、その他の分析を行へばよく、必要に応じてPCB分析(パレット・ケース・バラ)の分析などを行えばよい。問題は、分析した結果をどのように読み、活用するかである。 

・ E I Q 分析の内容

客先(E)が何を(I)何ケ(Q)注文したかの注文伝票のEIQ表の分析が、

  EIQ分析であり、表1から           

      客先ごとの注文量       EQ

      客先ごとの注文点数      EN

      種類ごとの注文量       IQ

      種類ごとの重複数       IK

      各客先の注文数量の大きさ   オーダーサイズ

      各客先の注文量の分布状態   オーダーパターン

  の6っのキーフアクターがとれる。

表1のオーダーサイズの全体をオーダーパターンと呼ぶことにするとオーダーパターンは、どのようなオーダーサイズの客先がどのような分布をしているのか、すなわち、大口の注文が、全注文の20%で、小口の注文の客先が80%なのか、それとも大口が80%で、小口が20%なのかを表す。  
EIQ分析は以上の6っのキーフアクターの分析ができる。
EIQ表は注文伝票の一覧表であり、手元にあるデータにかかわらず、これを分析して活用をしているところは少ない。POSのデータは、EIQ表のIQの分析だけである。したがって、EIQ分析はPOSデータの数倍の情報量を持つていることになる。

・ E I Q 分析をして何が分かるか。

 1 配送センター計画に役立つ。

 2 配送セタンーの作業改善が出来る。

 3 輸配送計画に役立つ。

 4 売れ筋がわかる。

 5 在庫削減に役立つ。

 6 予測に役立つ。(EEIQ)(Forcasting EIQ)

 7 物流コスト算定に役立つ

 8 物流システムのベンチマークとして活用できる。

  など多くの活用方法がある。

・ E I Q 分析結果は、血液検査の結果と同じ。

EIQ分析結果は血液検査の結果と同じで、いろいろ病状が分かるし、その病気を直す方法も分かる。しかし、血液検査では、病気は直らない。検査結果をもとにして、さらに精密検査を行ったり、薬を与えて手を打たなければならない。
EIQ分析も同じである。分析結果をみて、さらに詳細な分析をしたり、いろいろな手を考える必要がある。
だが、EIQ分析を行わなければ、手の打ちようもない。その意味で、EIQ分析は重要である。

 

・ 分析表の読み方 

データは見よう。読もう。考えよう。である。見やすくするのが、データ分析であり、表よりもグラフの方が読みやすい。データは読めなければならない。また、読んで、考えて活用しなければならない。どのように読み、どのように考えるかは、人、それぞれである。   

・ 結果をどう読んで,どう手を打つかである。

これはなかなか難しい。しかし、例題を解き、経験を積むといろいろなことがわかるようになる。それには、例題で問題を解くとよい。

・ E I Q 法

EIQ法は物流システム構築のシステム思考とEIQ分析からなる。
EIQ法の思考は複雑系思考を用いた特性的手法で、帰納法や演繹手法とは違った新しい手法である。